「プレゼン資料を作るのに丸1日かかる」
「スライドの構成がいつもバラバラになる」
「話す内容はあるのに、どう伝えればいいかわからない」
プレゼン資料の作成は「考える時間」と「作る時間」が混在しており、両方で時間を取られます。AIを活用すれば、構成設計・スライド内容・話し方まで、全工程を大幅に短縮できます。
この記事では、プレゼン資料作成の全工程で使える実践プロンプトを全13パターン掲載します。
この記事でわかること:
- プレゼンの「構成・ストーリー」をAIで設計する
- 各スライドの内容をAIで肉付けする
- 話し方・スクリプトをAIで準備する
- デザイン・見せ方のコツをAIに相談する
- AIプレゼン作成に共通する5つの鉄則
前回記事との関係:
AIで「ExcelとデータNの整理」を10倍速にする(#6)ではデータ集計・分析をAIで効率化する方法を解説しました。今回はそのデータを「人に伝えるプレゼン」に変える工程をAIで最速化する方法をお伝えします。
なぜ「プレゼン作成」にAIが効くのか
プレゼン資料の作成で時間がかかる理由は3つあります。
1. 「何をどの順番で話すか」の設計に時間がかかる
伝えたいことは頭にあるのに、スライドの流れ・論点の順序が決まらず手が止まる。
2. 「一枚ごとの内容」を考えるのが疲れる
全体の構成が決まっても、各スライドに何を書くか・どう表現するかで詰まる。
3. 「話し言葉」への変換が難しい
スライドは作れても、発表原稿・話す順序・間の取り方がうまく準備できない。
AIはこの3つすべてに効きます。AIを「ストーリーの設計士」「スライドライター」「話し方コーチ」として使うことで、プレゼン作成が根本から変わります。
第1章:「構成・ストーリー」をAIで設計する
場面1 | プレゼンの全体構成を5分で作る
ビフォー: 「何から話せばいいか」悩んでスライドを開いたまま固まる
アフター: 聴衆が「なるほど」と思える流れが5分で完成する
プロンプト例:
以下の情報をもとに、プレゼンの全体構成(スライド構成案)を作成してください。
【プレゼンの基本情報】
・テーマ・タイトル(一言で):
・目的(聴衆に何をしてほしいか):承認 / 理解 / 行動 / 共感
・聴衆(誰が聞くか):役職・人数・前提知識レベル
・持ち時間:(例:15分 / 30分)
【伝えたいこと(箇条書きで)】
・(キーメッセージ・データ・事例・提案などを思いつくままに)
【構成の要件】
・「つかみ→課題→解決→効果→行動」の流れを基本に
・スライド枚数の目安も提示してください(1分1枚が目安)
・各スライドのタイトルと「そのスライドで伝えること(1行)」をセットで
ポイント: 「目的(聴衆に何をしてほしいか)」を最初に決めるだけで、スライドの論点が一本化されます。
場面2 | オープニングスライドの「つかみ」を作る
ビフォー: 「本日は〇〇についてお話しします」から始まる平凡な冒頭になる
アフター: 聴衆が「続きを聞きたい」と思うオープニングが完成する
以下のプレゼンの冒頭(最初の1〜2スライド)で使う「つかみ」を考えてください。
【プレゼンのテーマ・目的】
(一言で)
【聴衆の状況】
・聴衆が今感じている課題・悩み:
・このプレゼンへの事前関心度:高い / 普通 / 低い
【つかみのパターン(複数提案してください)】
・パターン1:問いかけ型(「あなたは〇〇に悩んでいませんか?」)
・パターン2:データ・事実型(「実は〇〇の人が〇〇しています」)
・パターン3:ストーリー型(短いエピソードで共感を生む)
・パターン4:逆説型(「〇〇と思われがちですが、実は〇〇です」)
各パターンで具体的な文章案を1つずつ出してください。
場面3 | 「結論ファースト」のスライド構成に変換する
ビフォー: 順を追って説明する「起承転結」型にしたら、聴衆が途中で離脱した
アフター: 「結論→理由→根拠」の論理的な順序に組み直せる
以下のプレゼン構成を「結論ファースト(PREP法)」に組み直してください。
【現在の構成(スライドタイトルを箇条書きで)】
(現在の順序を記載)
【PREP法の要件】
・P(Point):最初に結論・主張を言い切る
・R(Reason):なぜそう言えるかの理由
・E(Example):具体例・データ・事例
・P(Point):再度結論で締める
組み直した構成案と、各スライドの1行説明をセットで出してください。
第2章:「各スライドの内容」をAIで肉付けする
場面4 | 課題・背景スライドを作る
ビフォー: 「現状はこうです」と説明しても聴衆がピンとこない
アフター: 聴衆が「確かにそれは問題だ」と感じるスライド内容が完成する
以下の情報から、プレゼンの「課題・背景」スライドの内容を作成してください。
【課題の内容(自分の言葉で)】
(何が問題か・なぜ今重要か)
【使えるデータ・事実(あれば)】
(数字・事例・業界動向など)
【スライドの要件】
・見出し1行 + 本文3〜5点(箇条書き)の構成
・数字・事実を前面に出し、感情に訴えすぎない
・「これは他人事ではない」と感じさせる表現で
・最後に「だからこそ、今日お伝えすること」への橋渡しを1行
場面5 | データ・グラフのスライドにコメントを付ける
ビフォー: グラフをそのままスライドに貼っても「で、これは何?」となる
アフター: グラフの「読み方」と「示唆」が一目でわかるスライドになる
以下のグラフ・データについて、スライドに載せるコメント(解説文)を作成してください。
【グラフ・データの内容】
(数字・推移・比較などをテキストで説明)
【このデータで言いたいこと】
(このデータが示す「だから何?」を一言で)
【コメントの要件】
・グラフタイトル(10字以内):データの傾向を一言で
・サブタイトル(20字以内):なぜこれが重要かを補足
・ポイントコメント(2〜3行):聴衆が見るべき箇所と示唆
・強調すべき数字・キーワードをボールドにする箇所も指定してください
場面6 | 「まとめ・行動を促す」クロージングスライドを作る
ビフォー: 「以上です。ご質問はありますか?」で終わってしまう
アフター: 聴衆が「次に何をすればいいか」明確に理解して会場を出られる
以下のプレゼンの最後を締める「まとめ・行動促進」スライドを作成してください。
【プレゼンで伝えた主要ポイント(3つ以内)】
・(箇条書きで)
【聴衆にとってほしいアクション】
(例:承認ボタンを押す / 試しに使ってみる / 部署に共有する)
【クロージングの要件】
・今日のまとめ(3点以内の箇条書き)
・次のアクションの明示(「まず〇〇をしてみてください」)
・聴衆への感謝・期待の一言
・質疑応答への誘導文
第3章:「話し方・スクリプト」をAIで準備する
場面7 | 発表原稿(スクリプト)を書いてもらう
ビフォー: スライドは完成したが、当日何を話すか準備できていない
アフター: スライドごとの話し言葉スクリプトが完成し、練習できる状態になる
以下のスライド内容を、口頭発表用のスクリプトに変換してください。
【スライドの内容(1枚分)】
・タイトル:
・本文(箇条書き):
【発表の状況】
・このスライドに使う時間:(例:2分)
・聴衆:(例:営業部の部長・担当者5名)
・トーン:(例:説得力重視 / わかりやすさ重視 / 熱意を伝える)
【スクリプトの要件】
・話し言葉で自然に読める文体
・前のスライドからの「橋渡し」の一言を冒頭に
・強調したい箇所に「(ここで一呼吸)」「(スライドを指して)」などの指示を入れる
・時間内に収まる分量で(1分≒300字が目安)
場面8 | 想定質問と回答を準備する
ビフォー: 「鋭い質問に答えられなかった」で評価が下がった経験がある
アフター: 発表前に想定質問と回答を準備して自信を持って本番に臨める
以下のプレゼン内容に対して、聴衆から想定される質問と回答を準備してください。
【プレゼンの概要(1〜3行)】
(内容を簡潔に)
【聴衆の立場・関心】
(例:コスト意識が高い部長 / 実務担当者でリスクを気にしている)
【準備してほしいこと】
・想定質問(Top7)
・各質問への回答案(2〜3行、自信を持って答えられる形で)
・「答えにくい質問」ワースト3と、その乗り越え方
質問は「厳しめ」に設定してください。
ポイント: 「厳しめに」と一言加えるだけで、本番で実際に来そうな核心的な質問が出てきます。
第4章:シーン別プロンプト集
シーン A | 社内報告・進捗報告プレゼン
以下の情報をもとに、社内向け進捗報告プレゼンの構成と各スライドの内容を作成してください。
【報告内容】
・プロジェクト名:
・現在の状況(完了・進行中・未着手の項目):
・課題・リスク:
・次のマイルストーン:
【スライド構成の要件】
・全体:5〜7枚
・「現状→課題→対応策→次のアクション」の流れ
・数字・進捗率を入れて客観性を持たせる
・上司が「何を決めればいいか」一目でわかる形に
シーン B | 新規提案・営業プレゼン
以下の情報をもとに、クライアント向け営業プレゼンの構成と内容を作成してください。
【提案先の状況・課題】
(相手が今困っていること・ニーズ)
【自社の提案内容】
(サービス・価格・強み)
【スライド構成の要件】
・「相手の課題から始める」(自社紹介から始めない)
・課題→解決策→実績→価格→次のステップの流れ
・聴衆が「これは自分ごとだ」と感じる言葉選びで
・クロージングは「次回アポの提案」まで含める
シーン C | 社外講演・セミナー発表
以下の情報をもとに、セミナー・講演向けのプレゼン構成を作成してください。
【テーマ・タイトル】:
【対象聴衆】:(職種・レベル・人数)
【持ち時間】:
【聴衆に持って帰ってほしいこと(Top3)】:
【構成の要件】
・冒頭5分で「今日の価値」を約束する
・専門用語は最小限、事例・ストーリーを多用する
・各章の終わりに「まとめの一言」を入れる
・質疑応答の時間も含めた時間配分も提案してください
AIプレゼン作成に共通する5つの鉄則
鉄則1:「聴衆が誰か」を最初に決める
同じ内容でも、相手が「上司」か「顧客」か「初心者」かで構成・言葉・深度がまったく変わります。AIに渡す情報の中で「聴衆の立場と前提知識」は最も重要な変数です。
鉄則2:「目的(何をしてほしいか)」を一言で決める
「承認してほしい」「理解してほしい」「行動してほしい」——この3つは全然違うプレゼンです。目的を先に決めることで、AIの構成提案の精度が上がります。
鉄則3:スライドは「1枚1メッセージ」で作る
AIに各スライドの内容を依頼するとき、「このスライドで伝えること」を1行で指定しましょう。複数メッセージを詰め込むと、聴衆が迷子になります。
鉄則4:スクリプトは「声に出して読む」
AIが生成したスクリプトは必ず声に出して読んでみましょう。読んでいて詰まる箇所、息継ぎが難しい箇所を「ここを話しやすく直して」とAIに再度依頼します。
鉄則5:質問対策は「厳しめに」依頼する
想定質問の準備は「優しい質問」だと意味がありません。「厳しめに」「反対派の視点で」と指定することで、本番に近い練習ができます。
まとめ
プレゼン作成でAIが最も力を発揮するのは「構成の設計」です。スライドを開く前にAIで骨格を作ると、迷わずに「作る作業」だけに集中できます。
この記事のプロンプトは次のプレゼン作成からそのまま使えます。まず場面1「全体構成」だけを試してみてください。1日かかっていた準備が、半日以下になるはずです。
シリーズナビ:AI仕事活用
| # | タイトル | テーマ |
|---|---|---|
| 1 | 今日から使えるAI仕事即活用術50選 | 全体俯瞰・入門 |
| 2 | AIで「メール・報告書・議事録」を10倍速で書く | 文書作成 |
| 3 | AIで「会議の質」を変える | 会議効率化 |
| 4 | AIで「情報収集・調査」を10倍速にする | 情報収集・リサーチ |
| 5 | AIで「企画書・提案書」を作る完全ガイド | 企画書・提案書作成 |
| 6 | AIで「ExcelとデータNの整理」を10倍速にする | Excel・データ整理 |
| 7 | AIで「プレゼン資料」を最速で仕上げる(この記事) | プレゼン・スライド |
| 8 | AIで「SNS・コンテンツ発信」を効率化する | SNS・コンテンツ発信 |