「準備不足のまま会議が始まって、何も決まらなかった」
「会議後の議事録が2日後に届いて、もう記憶にない」
チームあいおいの講座受講生からも、こんな声をよく聞きます。実は、会議における時間ロスの多くは「準備」「進行」「フォローアップ」の3フェーズで発生しています。AIを活用することで、この3つすべてを改善できます。
この記事では、会議の準備から終了後のフォローアップまで、実践的なプロンプトを全18パターン掲載します。
この記事でわかること:
- 会議前の準備(アジェンダ設計・事前資料・参加者依頼)
- 会議中の進行サポート(論点整理・タイムキープ・意見整理)
- 会議後のフォローアップ(議事録メール・アクション抽出・リマインド)
- 会議設計そのものを改善する方法
- AI会議活用に共通する5つの鉄則
前回記事との関係:
AIで「メール・報告書・議事録」を10倍速で書く(#2)では議事録作成を4ステップで解説しました。今回はその「会議」全体に視野を広げ、準備から終了後まで一貫して改善する方法をお伝えします。
なぜ「会議」がAIで変わるのか
多くのビジネスパーソンが1日の2〜3時間を会議に使っています。その中で「何も決まらなかった」「時間が足りなかった」という経験は珍しくありません。
会議の質が下がる原因は3つに集約されます。
1. 準備不足
アジェンダが曖昧なまま始まり、その場で情報共有から始まる。決めるべき論点が整理されていない。
2. 進行の非効率
議論が脱線しやすく、時間がなくなって「また来週に」が繰り返される。全員が意見を言いにくい空気が生まれる。
3. フォローアップの漏れ
会議後に議事録が来るのが遅い。アクションアイテムが曖昧なまま共有されず、誰も動かない。
AIはこの3つのフェーズすべてで「整理・変換・下書き生成」が得意です。AIを「準備ツール」「構造化ツール」「変換ツール」として使うことで、会議の質は段階的に改善できます。
第1章:会議前の準備をAIで整える
場面1 | アジェンダを設計する
ビフォー: 「とりあえず集まって話しましょう」という曖昧な会議になる
アフター: 目的・議題・時間配分が明確なアジェンダが5分で完成
アジェンダのポイントは「この会議で何を決めるか」を明示することです。
プロンプト例:
以下の情報から、会議アジェンダを作成してください。
【会議の基本情報】
・会議名:(例:10月プロジェクト進捗MTG)
・目的:(例:今月の遅れを確認し、挽回策を決定する)
・参加者:(例:プロジェクトリーダー・担当者3名)
・時間:60分
【今回扱いたいこと(箇条書き)】
・(話したいこと・決めたいことを箇条書きで)
【アジェンダのフォーマット要件】
・各議題に「目的(情報共有/議論/意思決定)」を明示
・時間配分を分単位で記入
・最後に「決定事項の確認・次回会議」の時間を必ず設ける
・全体:箇条書き形式で見やすく
ポイント: 各議題に「情報共有か、議論か、意思決定か」を明示するだけで、参加者の心構えが変わります。
場面2 | 事前資料のサマリーを作る
ビフォー: 長い資料を会議中に読む時間を取られ、実質の議論時間が減る
アフター: 1ページの事前サマリーで全員が予習できる
以下の資料から、会議前に参加者が読むサマリー(1ページ以内)を作成してください。
【資料の内容(貼り付けまたは箇条書き)】
(資料の内容をここに入れる)
【サマリーの要件】
・全体:400字以内
・「背景・現状・論点・決めること」の4項目構成で
・読んで3分以内でポイントがわかる
・専門用語は最低限に抑え、参加者全員が理解できる言葉で
・見出しを使ってスキャンしやすくする
場面3 | 参加者への「準備依頼メール」を送る
ビフォー: 当日に初めて議題を知る参加者がいて、議論が浅くなる
アフター: 全員が考えを持って会議に臨める
以下の会議に向けた「参加者への事前準備依頼メール」を作成してください。
【会議情報】
・会議名:(会議の名称)
・日時:(日時)
・目的:(この会議で何を決めるか)
【参加者に事前に考えてきてほしいこと】
・(箇条書きで)
【メールの要件】
・冒頭に会議の目的を簡潔に示す
・準備してほしい内容を箇条書きで明示
・「読んでおいてほしい資料」があれば添付する旨を記載
・長さ:200字以内(読むのに負担がかからない分量)
・件名の候補も2〜3個提案してください
場面4 | 会議の「問い」を設計する
ビフォー: 「何でも話せる会議」になって結論が出ない
アフター: 「この会議で答えを出す問い」が明確になり、議論が焦点化される
以下の会議テーマから、会議中に参加者全員で答えを出すべき「問い」を設計してください。
【会議テーマ】
(例:来期のマーケティング予算配分について)
【背景・状況】
(現在の状況、問題意識、制約条件など)
【問いの設計要件】
・オープンクエスチョン形式(「〇〇すべきか否か」ではなく「どうすれば〇〇できるか」の形)
・この会議の時間内で議論できる範囲に絞る
・メインの問い:1つ(最も重要な問い)
・サブの問い:2〜3つ(メインの問いを深める問い)
・各問いに「この問いで得たい答え」を一言で付記する
場面5 | ブレインストーミング前の「お題」を整える
ビフォー: アイデア出しの場で沈黙が続く・発散しすぎて収拾がつかない
アフター: 全員が発言しやすい「お題の設計」で議論が活性化する
以下の目的に合ったブレインストーミングのお題を設計してください。
【ブレストの目的】
(例:新規顧客向けの体験イベントのアイデアを出す)
【参加者の情報】
・人数:(例:5名)
・バックグラウンド:(例:営業2名・企画2名・デザイン1名)
・時間:30分
【お題設計の要件】
・全員が参加しやすい切り口(専門知識不要で発言できる)
・「ありえないアイデアも歓迎」の心理的安全性を作る言葉を入れる
・最初の「ウォームアップ問い」→「メインの問い」→「深掘り問い」の3段階で設計
・進行の指示(各段階の時間・ルール)も付ける
第2章:会議中の進行をAIで支える
場面6 | 議論が詰まったときの「論点整理」
ビフォー: 議論が堂々巡りになって、「で、結局何の話をしていたっけ?」となる
アフター: 論点を構造化することで議論の進路が見えてくる
会議中にメモを取りながら、AIに整理を依頼するテンプレートです。
以下の会議の発言・意見を整理して、論点を構造化してください。
【発言・意見のメモ(口語OK)】
(会議中に取ったメモをそのまま貼り付け)
【整理の要件】
・「賛成意見」「懸念・反対意見」「未確認事項」の3列に分類
・重複する意見はまとめて一つにする
・最後に「現時点での論点の核心」を1文で示す
・「まだ議論が必要な点」と「すでに合意がある点」を明確に分ける
場面7 | 決まらない会議を「決める」方向に持っていく
ビフォー: 議論が続いて「次回また話しましょう」で終わる
アフター: 決断できる選択肢の整理によって、その場で決めやすくなる
以下の議論から、意思決定に必要な「選択肢の整理」を行ってください。
【現在の議論状況(箇条書きで)】
・(現状を書く)
【決めるべきこと】
(この会議で決定が必要な事項)
【選択肢整理の要件】
・選択肢を2〜4つに絞り込む
・各選択肢の「メリット・デメリット・リスク」を表形式で示す
・推奨案がある場合は「おすすめ理由」を一言で付ける
・最後に「この場で決めるか・次回持ち越すか」の判断基準を提示
場面8 | 会議中の「その場メモ」を構造化する
ビフォー: 会議後にメモを見返すと何が決まったか分からない
アフター: 発言メモをその場で構造化することで、会議終了時に9割完成する
会議中、5〜10分に一度AIに投げてリアルタイムに整理する使い方です。
以下の会議メモを構造化してください。
【メモ(口語・箇条書きのまま)】
(この10分間のメモをそのまま貼り付け)
【構造化の要件】
・「決定事項」「次のアクション(誰が・何を・いつまでに)」「継続議論が必要な点」の3区分で整理
・重複・無関係な情報は省く
・決定事項は断定形で(「〜することになった」→「〜に決定」)
・出力は箇条書きで、簡潔に
場面9 | 時間切れを防ぐ「タイムキープ案内文」を作る
ビフォー: 時間を見るのを忘れ、終盤に焦って重要事項を駆け足で終える
アフター: 事前にタイムキープの声かけ文を準備することで進行がスムーズになる
以下の会議アジェンダに合わせた、タイムキーパー用の「声かけスクリプト」を作成してください。
【アジェンダ(時間配分付き)】
・導入・前回確認:5分
・議題1(〇〇について):20分
・議題2(〇〇について):20分
・決定事項確認・次回予定:10分
・クロージング:5分
【スクリプトの要件】
・各議題の「残り5分」「時間です」の2タイミングで使う声かけ文
・参加者の発言を自然に止める丁寧な言い回しで
・「まだ議論を続けたい場合」のための確認フレーズも付ける
第3章:会議後のフォローアップをAIで速める
場面10 | 会議メモ → 共有用議事録
ビフォー: 会議後の議事録作成に1〜2時間かかり、翌日以降になる
アフター: 会議直後10〜15分でメール送信できる議事録が完成
以下の会議メモから、参加者に送る議事録メールを作成してください。
【会議メモ(口語・箇条書きのまま)】
(会議中に取ったメモをそのまま貼り付け)
【議事録メールの要件】
・件名の候補も3つ提案(「【議事録】〜」の形式で)
・本文の構成:
■ 会議概要(日時・参加者・目的)
■ 決定事項(番号付き箇条書き)
■ アクションアイテム(担当者・内容・期限の表形式)
■ 継続議論が必要な事項(あれば)
■ 次回会議(日時・主要議題)
・発言者を特定するような記述は避ける
・全体:できるだけコンパクトに(読んで3分以内)
場面11 | アクションアイテムだけを Slack・チャット向けに変換
ビフォー: 議事録が長くてアクション担当者に読まれない
アフター: 担当者がすぐ動ける簡潔な「TODO共有メッセージ」が完成
以下の議事録から、Slack(またはチャットツール)向けの「アクションアイテム共有メッセージ」を作成してください。
【議事録(または会議メモ)】
(議事録の全文を貼り付け)
【メッセージの要件】
・冒頭に「〇月〇日 〇〇会議のアクションまとめ」と明記
・各アクションは「@担当者名 内容 / 期限:〇月〇日」の形式で
・担当者不明のものは「【要確認】」を付ける
・絵文字の使用:NG(ビジネスチャンネルを想定)
・最後に「詳細は議事録を確認ください」のリンク誘導文を添える
場面12 | 期限前のフォローアップリマインドメール
ビフォー: アクションの期限が来ても報告がなく、確認する手間が発生する
アフター: 事前にリマインドメールを準備・予約送信で確認コストが下がる
以下の状況で、アクション担当者へのリマインドメールを作成してください。
【状況】
・会議の日時:(〇月〇日)
・アクション内容:(担当者が取り組むべき内容)
・期限:(〇月〇日)
・送るタイミング:期限3日前(または前日)
【メールの要件】
・責める・急かす印象を与えない丁寧なトーン
・アクション内容と期限を明確に再確認できる
・「完了報告のお願い」または「状況確認」を自然な形で入れる
・返信しやすい形(完了しました / 〇月〇日まで延長をお願いしたい)の選択肢を付ける
・長さ:100〜150字程度
場面13 | 会議に参加できなかった人への共有メッセージ
ビフォー: 欠席者への共有が遅れ、情報格差が生まれる
アフター: 会議終了直後に「欠席者向け要約」を10分で送れる
以下の議事録から、会議に参加できなかったメンバーへの情報共有メッセージを作成してください。
【議事録(または要点)】
(議事録の内容を貼り付け)
【メッセージの要件】
・冒頭に「〇月〇日に〇〇会議を実施しました」と明記
・決定事項を最優先で伝える(3〜5点、箇条書き)
・欠席者に関係するアクションアイテムがあれば、明示する
・詳細が必要な場合の問い合わせ先を案内する
・長さ:200字以内(読む負担を最小に)
第4章:会議設計そのものをAIで改善する
場面14 | 定例会議のアジェンダテンプレートを設計する
「毎週同じ会議が繰り返されるが、毎回何かが決まらない」という場合は、テンプレート自体を見直すことが効果的です。
私たちの定例会議に合ったアジェンダテンプレートを設計してください。
【会議の情報】
・会議名:(例:週次チームMTG)
・頻度:(例:毎週月曜10:00〜11:00)
・参加者:(例:チームリーダー+担当者4名)
・よく起きている問題:(例:毎回情報共有に時間がかかり、意思決定が後回しになる)
【テンプレートの要件】
・固定議題(毎回必ず行う)と変動議題(そのときのテーマ)を分ける
・各議題に「目的・時間・担当」を明示
・会議冒頭に「前回アクションの確認」を必ず設ける
・最後に「決定事項の読み上げ確認」の時間を設ける
・Markdownで出力(コピーしてすぐ使える形式)
場面15 | 「この会議、必要ですか?」の判断を支援する
会議を減らすことも、AI活用の重要な一歩です。
以下の会議を「開催すべきか・別の方法で代替できるか」を判断してください。
【会議の概要】
・目的:(この会議で何をしたいか)
・想定参加者:(〇名)
・所要時間:(〇分)
・頻度:(週1回 / 月1回 / 臨時 など)
【判断基準として使ってください】
・同期(リアルタイム)でないと解決できない課題か?
・全員の参加が本当に必要か?
・メール・チャット・ドキュメント共有で代替できないか?
【出力の要件】
・「開催推奨 / 代替可能 / 縮小推奨」のいずれかで判定
・判定理由を2〜3文で
・代替可能な場合は「こんな方法で代替できます」を具体的に提示
場面16 | 会議の「振り返り」をAIで構造化する
会議後に「この会議は良かったか?」を振り返ることで、次の会議の質が上がります。
以下の情報から、今日の会議の振り返りをまとめてください。
【会議の情報】
・会議名・日時:
・参加者数:
・決まったこと:(あれば)
・決まらなかったこと:(あれば)
・時間的に余裕があったか / 時間が足りなかったか:
【振り返りの要件】
・「うまくいったこと」「改善できる点」「次回試したいこと」の3項目で整理
・改善案は「〇〇を変えると〇〇が改善する」の形で具体的に
・次回の会議アジェンダに反映すべき点を1〜2点ピックアップ
AI会議活用に共通する5つの鉄則
鉄則1 | 「準備」「進行中」「後処理」で別々に使う
AIは一度にすべてをこなすツールではありません。フェーズごとに「今AIに何を頼むか」を明確にすることで、出力の精度が上がります。
【活用フェーズの整理】
・準備フェーズ:アジェンダ設計 / サマリー作成 / 準備依頼メール
・進行フェーズ:論点整理 / 選択肢整理 / メモの構造化
・後処理フェーズ:議事録変換 / アクション抽出 / 共有メッセージ作成
鉄則2 | 「口語のメモ」そのまま投げてよい
整形してからAIに渡す必要はありません。「〇〇さんが反対してた」「予算どうするか未定」のような口語メモそのままで、AIは十分に整理してくれます。
鉄則3 | 出力は「たたき台」として扱う
AIが作った議事録やメールを、確認なしにそのまま送らないことが鉄則です。事実の誤り・発言の誤解釈がないかを必ず一度確認してから送信します。
確認の2ステップ:
1. 事実確認:「決定事項・アクション・期限」が正確か
2. トーン確認:「送り先に合ったトーンになっているか」
鉄則4 | 会議の種類ごとにプロンプトを保存する
毎回同じプロンプトを書き直すのは時間のムダです。「週次MTG用」「商談振り返り用」「プロジェクト会議用」のようにテンプレートを用意しておくと、次回から30秒で使えます。
鉄則5 | 機密情報を置き換えてから使う
会議の内容には顧客名・売上数字・社内の人名が含まれることがあります。「A社」「〇〇部長」「約〇〇万円」のように置き換えてから入力するのを習慣化してください。
よくある失敗パターンと対策
失敗1:アジェンダを作ったが会議で使わなかった
問題: 準備だけして、会議中に「さあどうぞ」の進行になってしまう
対策: アジェンダを全員に事前送信し、冒頭5分で必ず共有確認する。「今日はこれを決めます」という宣言で始める
失敗2:議事録を翌日以降に送る
問題: 1日経つと記憶が薄れ、アクションの熱量が下がる
対策: 会議終了後30分以内に送ることを目標にする。完璧な議事録より、「速い議事録」の方が価値が高い
失敗3:アクションアイテムに「担当者不明」が多い
問題: 会議後に「誰がやるの?」が発生し、結局やらない状態になる
対策: 会議中にその場で「これは〇〇さん担当でOKですか」と確認・確定する。未確定のまま終わらない
失敗4:毎回同じ問題が繰り返し議題に上がる
問題: 根本的な解決がなく、会議のたびに同じ議論が発生している
対策: 繰り返し問題は「構造的な課題」として専用の時間を設け、一度徹底的に解決策を決める。AIに「このテーマが繰り返し出る原因は何か?」と問うことも有効
まとめ:会議を変えるのは「ツール」より「習慣」
AIを使えば、会議の準備・進行・フォローアップのすべてで時間を短縮できます。ただし、最終的に会議の質を上げるのは「どのフェーズでAIを使うか」という習慣設計です。
今日から始めるならこの3つ:
- 次の会議のアジェンダをAIで設計してみる(5分)
- 会議後の共有メッセージをAIで生成してから送る
- 会議メモをAIに整理させる習慣を1週間続ける
どれか1つ試すだけで、会議への関わり方が変わります。
チームあいおいでAIを学ぶ
チームあいおいでは、会議効率化・業務効率化などのAI実践活用を、講座の中で体験的に学べる環境を提供しています。プロンプト1つの使い方から、業務全体のAI設計まで、一歩ずつサポートします。
【AI仕事活用】シリーズ一覧
| # | タイトル | テーマ |
|---|---|---|
| 1 | 今日から使えるAI仕事即活用術50選 | 全体俯瞰・入門 |
| 2 | AIで「メール・報告書・議事録」を10倍速で書く | 文書作成 |
| 3 | AIで「会議の質」を変える(この記事) | 会議効率化 |
| 4 | AIで「情報収集・調査」を10倍速にする | 情報収集・リサーチ |
| 5 | AIで「企画書・提案書」を作る完全ガイド | 企画書・提案書作成 |
| 6 | AIで「ExcelとデータNの整理」を10倍速にする | Excel・データ整理 |
| 7 | AIで「プレゼン資料」を最速で仕上げる | プレゼン・スライド |
| 8 | AIで「SNS・コンテンツ発信」を効率化する | SNS・コンテンツ発信 |