AI活用

AIで「企画書・提案書」を作る完全ガイド — 構成から仕上げまで

「企画書を書こうとしたら、何から始めればいいかわからない」
「構成は決まっているのに、言葉が出てこない」
「上司に出す前に、説得力があるか自信がない」

企画書・提案書は「仕事力の見え方」が変わる書類です。AIを使えば、ゼロから書き上げるより5〜10倍速く、しかも構成の質を上げながら仕上げられます。

この記事では、企画書・提案書を作る全工程で使える実践プロンプトを全14パターン掲載します。

この記事でわかること:

  • 企画書の「構成設計」をAIで最速で作る
  • 各セクション(課題・解決策・効果・予算)をAIで肉付けする
  • 説得力を上げるための「磨き方」プロンプト
  • 社内向け・社外向け別のコツ
  • AI企画書作成に共通する5つの鉄則

前回記事との関係:
AIで「情報収集・調査」を10倍速にする(#4)では調査フェーズを効率化する方法を解説しました。今回はその調査結果を「企画書・提案書」としてアウトプットに変えるフェーズです。

なぜ企画書作成にAIが効くのか

企画書・提案書で時間がかかる理由は主に3つです。

1. 「何を書くか」の設計に時間がかかる
ページ構成・論点の順序・伝えるべき要素の整理に多くの時間が取られる。

2. 「言葉の変換」に詰まる
内容は頭にあるのに、それを文章に変換する作業が遅くなる。

3. 「説得力の確認」ができない
書き上げた後、読み手が納得するかどうかを自分一人では判断しにくい。

AIはこの3つすべてをカバーします。AIを「構成の設計士」「文章の変換エンジン」「批評家」として使うことで、企画書の質とスピードが同時に上がります。

第1章:「構成」をAIで最速で設計する

場面1 | 企画書の骨格を5分で作る

ビフォー: 白紙のページを前に「何から書けばいいか」固まってしまう
アフター: 伝えるべき要素が整理された骨格が5分で完成し、あとは肉付けだけ

企画書はまず「何を・どの順番で・誰に伝えるか」の骨格が肝心です。

プロンプト例:

以下の情報をもとに、企画書の骨格(目次構成)を作成してください。

【企画の概要】
・何をしたいか(一言で):
・誰に読んでもらうか(役職・立場):
・目的(この企画書で何を決めてほしいか):

【背景・状況(箇条書きで)】
・(現在の課題・問題意識・きっかけ)

【企画書の骨格要件】
・読み手が「なぜ今か」「何をするか」「どんな効果か」「何が必要か」を順番に理解できる構成
・各章のタイトルと「その章で伝えること(1行)」をセットで
・全体:5〜7章構成が目安
・読み手の立場(承認者 / 協力者 / 顧客)に合わせたトーンで

ポイント: 「誰に読んでもらうか」を明示するだけで、論点の優先順位と言葉のトーンが変わります。

場面2 | 「課題と背景」セクションを書く

ビフォー: 問題意識はあるが、文章にすると説明が長くなる・論点がぼやける
アフター: 読み手が「確かにそれは問題だ」と感じる課題提起が完成する

以下の情報から、企画書の「課題・背景」セクションを作成してください。

【現在の状況(箇条書きで)】
・(数字・具体的な事実があれば入れる)

【問題の本質(自分の言葉で)】
・(何が困っているか・なぜ今解決が必要か)

【セクションの要件】
・読み手が「他人事」ではなく「自分ごと」として感じる書き方で
・課題を「現状 → 理想 → ギャップ」の流れで整理する
・データや数字があれば強調する
・感情的にならず、事実ベースで説得力を持たせる
・全体:200〜300字

場面3 | 「解決策・施策内容」セクションを書く

ビフォー: やりたいことはあるが、論理的に整理して書くのが難しい
アフター: 「なぜこの方法か」が伝わる解決策の説明が完成する

以下の情報から、企画書の「解決策・施策内容」セクションを作成してください。

【提案する施策】
・(何をするか、箇条書きで)

【なぜこの方法を選んだか】
・(他の選択肢との比較・この方法の根拠)

【セクションの要件】
・施策の全体像を最初に1〜2行で示す
・具体的な実施内容を箇条書きで整理(誰が・何を・いつ)
・「なぜこの方法か」の根拠を必ず入れる
・読み手が「それは現実的だ」と感じるレベルの具体性で
・全体:300〜400字

場面4 | 「期待効果・成果」セクションを書く

ビフォー: 「効果があります」と書いても漠然としていて説得力がない
アフター: 数値・時間軸・対象を明示した具体的な効果提示ができる

以下の情報から、企画書の「期待効果・成果」セクションを作成してください。

【期待できる効果(思いつくままに)】
・(コスト削減・時間短縮・売上向上・リスク低減など)

【根拠になりそうな情報】
・(類似事例・社内データ・業界平均など、あれば)

【セクションの要件】
・定量効果(数字で表せるもの)と定性効果(体験・印象の改善)の両方を書く
・「〇ヶ月後に〇〇が達成される」のように時間軸を入れる
・根拠のない数字は使わず「〜が見込まれる」「〜が期待できる」の表現で誠実に書く
・最後に「この企画をやらない場合のリスク」を1行入れる
・全体:200〜300字

ポイント: 効果の最後に「やらない場合のリスク」を入れると、承認者の背中を押す力が増します。

第2章:「磨き方」でレベルを上げる

場面5 | 論理の抜け穴をチェックする

ビフォー: 書き上げた企画書を上司に出したら「なぜそれをするの?」と返ってきた
アフター: 提出前に論理の穴を自分で発見・修正できる

以下の企画書(または草稿)を批評的に読み、論理の抜け穴や弱い部分を指摘してください。

【企画書の内容】
(全文またはセクションを貼り付け)

【チェックしてほしいこと】
・「なぜそれをするのか」の根拠が薄い箇所
・「本当にそれで解決するのか」という疑問が残る箇所
・数字や根拠が不足している箇所
・読み手が「リスクは?」と感じそうな点とその対策が書かれているか
・「誰が・何を・いつまでに」が不明瞭な箇所

厳しめに指摘してください。改善案もセットで出してください。

場面6 | 「反論・懸念」を先読みして対策を書く

ビフォー: 「承認されなかった」理由が想定できていなかった
アフター: 読み手の懸念を先読みして、企画書の中で答えておける

以下の企画に対して、承認者・決裁者が持ちそうな反論・懸念を列挙してください。

【企画の概要(1〜3行)】
(提案内容を簡潔に)

【承認者の立場・優先事項】
(例:コスト削減を最優先する部長 / リスク回避を重視する経営層)

【出力してほしいこと】
・想定される反論・懸念(Top5)
・各反論に対する「企画書内での回答案」
・特に注意すべき「致命的になりうる反論」を1つ選んで強調

これを参考に企画書の「よくある質問・懸念への回答」セクションを追加します。

場面7 | エグゼクティブサマリーを作る

ビフォー: 忙しい決裁者が「1ページでわかるようにして」と言う
アフター: 本文を書いた後、1分で読める要約ページが完成する

以下の企画書から、1ページのエグゼクティブサマリーを作成してください。

【企画書の全文(または主要セクション)】
(内容を貼り付け)

【サマリーの要件】
・全体:400字以内
・構成:「背景・課題」→「提案内容」→「期待効果」→「必要なリソース」→「求める承認事項」
・各項目は2〜3行以内
・専門用語を使わず、業務を知らない役員でも理解できる言葉で
・読んで「承認したい」と思える言葉選びで

ポイント: 多忙な決裁者は本文を読まないことも多い。サマリーが9割を決めると思って丁寧に作りましょう。

第3章:シーン別プロンプト集

シーン A | 社内向け企画書(新規施策・改善提案)

以下の情報をもとに、社内向け企画書の本文(メインセクション)を作成してください。

【企画名】:
【提案者・部門】:
【提出先(役職)】:
【企画の目的(一言)】:
【背景・課題(箇条書き)】:
【提案内容(箇条書き)】:
【期待効果(数字があれば)】:
【必要なリソース(予算・人員・期間)】:

【文体】社内文書らしい丁寧かつ簡潔なビジネス文体で。承認を促す締めの一文を入れてください。

シーン B | 社外向け提案書(クライアント・パートナー向け)

以下の情報をもとに、クライアント向けの提案書本文を作成してください。

【提案先の会社・担当者の状況】
・(規模・業種・現在の課題・ニーズ)

【自社が提案するサービス・ソリューション】
・(何を・どのように・いくらで)

【競合と比較した差別化ポイント】
・(自社の強み・他社にない特徴)

【文体の要件】
・相手の課題から始め、「だからこそ弊社の提案が最適」という流れで
・数字・実績・事例を入れて信頼感を持たせる
・押しつけがましくなく、「ご一緒したい」という姿勢で締める

シーン C | プレゼン発表用スクリプトに変換する

以下の企画書テキストを、口頭プレゼン用のスクリプトに変換してください。

【企画書の本文】
(テキストを貼り付け)

【プレゼンの状況】
・時間:(例:10分)
・聴衆:(例:部長・担当者3名)
・目的:(例:承認を取る / 興味を持ってもらう)

【スクリプトの要件】
・話し言葉で自然に読み上げられる文体
・各スライド(または章)の切り替えに「では次に」などの接続詞を入れる
・強調したい箇所は「(間)」「(スライドを指して)」などの指示を入れる
・締めに「ご質問・ご意見をいただければ幸いです」などの問いかけを入れる

シーン D | タイトル・キャッチコピーを考える

以下の企画書の内容から、印象に残るタイトル・キャッチコピーを考えてください。

【企画の概要(1〜3行)】
(内容を簡潔に)

【タイトルの要件】
・パターン1:シンプル・明快(「〇〇改善プロジェクト」など)
・パターン2:数字を使ったインパクト型(「〇〇を3ヶ月で〇割改善する」など)
・パターン3:問いかけ型(「なぜ〇〇が〇〇できないのか」など)

各パターンで3案ずつ、計9案を提案してください。
採用理由を一言添えてください。

AI企画書作成に共通する5つの鉄則

鉄則1:「読み手」を最初に決める
企画書は書く内容より「誰を動かすか」が先です。「読み手が最も気にすることは何か」を最初にAIに伝えると、すべての出力の精度が上がります。

鉄則2:ゼロから書かず「骨格→肉付け」の順で進める
白紙から完成形を目指すと詰まります。まず場面1のプロンプトで骨格を作り、各セクションを順番に肉付けする流れが最速です。

鉄則3:「事実」を先に整理してからAIに渡す
「なんとなく問題があって、なんとなく解決したい」という状態でAIに投げると、抽象的な出力になります。数字・事実・具体的な状況を先にまとめてから入力しましょう。

鉄則4:批評モードで一度読み直す
場面5のプロンプトで「論理の穴チェック」を必ず行うことをおすすめします。書いた直後は見えない弱点を、AIは冷静に指摘してくれます。

鉄則5:出力は「草稿」として自分の言葉で仕上げる
AIの出力をそのまま提出するのではなく、自分の経験・熱意・文脈を加えて最終仕上げをするのが鉄則です。AIは「型を作るパートナー」、あなたは「中身を持つ著者」です。

まとめ

企画書・提案書で最も難しいのは「ゼロから始めること」です。AIを使えば、最初の骨格が5分で完成し、各セクションの草稿が30分以内に揃います。

この記事のプロンプトは、次に企画書を書くときにそのまま使えます。まず場面1「骨格設計」だけを試してみてください。最初の1ページが埋まる感覚が変わるはずです。

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